2015年12月28日月曜日

妙高市図書館の改革

「生涯学習」や「芸術文化」が緩やかなDゾーンにマッピングされるこの表は、市の施策のバイブルとも言うべき「市総合計画」に掲載されている市民の意識調査の結果です。
不満もそれほど抱えていない代わりに重要性も感じてない??=言い方を換えれば、関心が低い分野です(T_T)


克雪や雇用対策に感心が高いのは当然かもしれませんが、人が豊かに暮らしていくために「文化」なくして成し得ず、町に魅力を感じる大きな部分であると私は思います。

当市の教育に関する指針として、「妙高市総合教育基本計画」(h27〜h31)があります。そこには子どもの教育や地域の生涯学習の課題と共に、目標や施策が掲げられています。その生涯学習環境の項目に「図書館の検討」について書かれている部分があります。








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○親しまれ、利用される図書館づくり
図書館は、蔵書資料やインターネット等の情報源により、市民に知識や情報を提供する生涯学習における拠点施設であります。今後も市民が学ぶことの楽しさを実感し、学び続けるための情報 発信を行っていく必要があることから、提供するサービスの充実と老朽化の進む施設の将来的なリ ニューアルについての検討を進めます。
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【具体的施策】
図書館のあり方の検討 … 新規 H28
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図書館は知の伝達のステーションであり、町の文化の発振源です。まちづくりはここから始まるとも言えます。
そんな思いを込めて、本日執行部に要望書を提出してきました。
仕事納めですが、お許しを。
今後も図書館改革に目を向けていきますので、皆さんも是非いろんな声を上げていただければと思います。

2015年11月20日金曜日

平成27年度 妙高っ子 米こめサミット

平成27年11月19日、妙高市内の全8校の小学校5学年で構成する、「米こめサミット」に参加してきました。私の所属する総務文教委員会の所管でもあります。
以下主催者の案内文より抜粋
「妙高市では、市の基幹産業である稲作についての学習活動をとおして、稲作について多面的に考え、自分の考えを創り発信できる子どもの育成をめざして、毎年米こめサミットを開催しております。・・・後略」

今年で7回目となる米サミットはフレンドスクールと並んで、当市の特徴的な教育の取り組みです。
講師やサポートでこれまで関わる事がありましたが、サミット参加は初体験。予定があり大ホールでのサミットに参加できなかったのが残念ですが、創造的な意見が飛び交った事と想像します。

会場での米の試食や、サミット前段の発表会その充実ぶりに至る所で感心させられました。印象に残ったことの一例をあげると、
同じ妙高市でありながら、町なかの新井小、中山間地の新井南小のテーマの捉え方の違いです。
具体的には、前者は「米のブランドに関わる商品価値」に、後者は「耕作環境に関わる地域のこし」が子ども達の眼を通して感じる点です。

他の学校でも様々な地域性を活かし、米を通した交流が行われたようですが、地域のかたが関わってこのような事業を充実させていくことが現在求められていることです。「子どもの学習の協力」という意味を超えて「地域を皆んなで作っていく」。という気付きがそこにあるからだと思います。
市民の皆さまには是非教育への参画をお願いしたいものです。私も具体的に提案をさせていただきたいと思います。

平成27年度 妙高っ子 米こめサミット(当日資料)はこちら
https://www.evernote.com/l/ABkRYXhK_yBC1ah3E49_S_QecMHRvpOCvTA







2015年10月29日木曜日

平成27年度総務文教委員会調査(3日目・兵庫県淡路市「地域のこし協力隊」)

平成27年度総務文教委員会調査

※内容について不充分な点はご了承ください。
  • 日時:10月29日(木)10:00〜11:30
  • 視察場所:兵庫県淡路市、淡路市役所2F大会議室(Google Map
  • 妙高市議会 総務文教委員(6名、議会事務局)
  • 視察事項:地域おこし協力隊の活動について
    • 過疎化・少子高齢化による人口減少が急速に進むなか、市外から意欲的な人材を誘致し新たな発想で地域の活性化を推進し、隊員の定住を図る取り組みについて。
  • 受け入れ先:兵庫県淡路市企画政策部 まちづくり政策課、企業誘致推進課、地域おこし協力隊 中川佳苗さん、横山史(ふみ)さん
  • 内容:地域おこし協力隊を導入してから活動の経緯、プロジェクタによる説明や資料、質疑応答、(議場見学)
    • h24年一期目は9名の協力隊員を導入した(イベント実施、ロゴ制作、珍しい農作物生産、特産品開発、歴史に関する事業・・→内6名が地域に残った…市の職員2名、民間企業に就職他)が、一度に多くを受け入れ扱いに迷った。
    • 二期目からは3名づつ順次導入、専門性を持たせた業務内容に変更。個人事業主として市と契約する方式をとる。
    • 東京のアンテナショップで地域と連携する。
      市の温浴施設で調理師として働き地域の食材を活かす業務など
    • 今後、市の定住対策専門職、コミュニティFMの担当など、具体的な採用を考えている。
    • 横山さん:4年前、東京のコンサルティングの会社でカレーの開発に携わり全国の美味しい玉ねぎを探し、淡路と関わりを持つ。旦那さんがコンサルタント。協力隊としては「やりたいことコンシェルジェ」など、住民と交流しながら、コーディネート的な事業で住民と関わる。中川さん:淡路市出身で地域おこし協力隊としてUターン、女子プロ野球リーグ兵庫ディオーネ公式戦に帯同。球団サポートを行う傍ら、淡路島の観光PR、情報発信を行う。
  • 所感:「個人事業主と契約」のスタイル、「二拠点移住」を認める考え方、特定地域に拘らない業務体制、具体的な業務を設定して人材を募集する方法は、当市の進めかたと隔たりがあり、特徴的である。隊員の活動内容にも自由度が高いように感じ、効果的に実績が見えているように感じる。
    問題点としては、個人の裁量に任せられる部分が多いとしたら、人的ネットワークや地域との連携、コミュニケーションの部分で個人差が表れるのではないか。
    契約というスタイルの場合、成果が求められる部分で過大なプレッシャーが与えられるのではないか、懸念するところ。
  • 提言:
    • ・淡路市の協力隊は、「個人事業主として契約」というスタイルをとっている。それによって達成すべきミッションが明確になり活動のベクトルのブレが縮まる。なにより裁量権のウエイトが協力隊にかたむき、成果が自助努力によるものとなるため、モチベーションも上がり結果、事業効果が高いものとなる。 加えて委託業務を明確にした上で採用というスタイルをとることで、得意分野が生かせ課題探しから始めるという労力的なロスが少なく済むメリットを生む。 地域支援というよりは「しごと」を生んでいるといえ、定住に結びつきやすくするものだ。
    • 業務内容は「東京のアンテナショップで地域と連携する」「市の温浴施設で調理師として働き地域の食材を活かす業務」「市の定住対策窓口」「コミュニティFMの担当」などである。淡路市のみに限らない二拠点移住や、地域出身者のUターン採用も認める点が、柔軟でグローバルな施策であると感じるところ。当市も是非参考にして欲しい。




平成27年度総務文教委員会調査(2日目・広島県府中市「小中一貫校」)

平成27年度総務文教委員会調査

※内容について不充分な点はご了承ください。
  • 日時:10月28日(水)10:30〜12:30
  • 視察場所:広島県府中市、府中学園(Google Map
  • 妙高市議会 総務文教委員(6名、議会事務局)
  • 視察事項:小中一貫教育について
    • 市内すべての小中学校で、学習指導要領に基づき、9年間を見通した中で、すべての子どもの可能性を最大限に伸ばす教育について
  • 受け入れ先:府中市教育委員会、府中市学校教育課、府中学園校長、府中学園主幹教諭、議会事務局 他
  • 内容:プロジェクタによる説明と資料、質疑応答、校内視察
  • 質問の内容など:小中一貫教育(9年間を貫く)に関連する課題や、メリットのほかに、「廃校の活用法」「体格の差による問題はないか」等々の質問。校内の見学説明により、理解を深める。
    • 前例が無く、いち早く小中一貫教育に取り組む際、様々な立場の意見が出る中、「こらから学ぶ子どもたち」の環境を優先的に考える事を一義とした
    • 「学校に集まってください。」という文化を作る(地域が一体となった教育体制)
    • 市内それぞれの学校のシンボルマークを住民で考えた。これに始まり企業等の事業でも学校の名前を入れる働きかけをしたことにより、学校の親近感を高めた。
    • ピアサポートトレーニング(人間関係構築のプログラム)導入
  • 提言:
    • ・学校の方向転換は住民の意識に足並みを揃える事が大切である。府中学園では、小中一貫教育を目指す際に4年間の試行期間で「小中の乗り入れ授業」や「小中合同事業」を取り組み、「何が最も効果的か?」を探りながら、住民を巻き込んでいった。「これからここで学ぶ子どもたちのため」を優先的に考えたという。それを持って決して押し付けではない住民の選択を経て、9年間の一貫教育を成し遂げた。当市においても、教師を含めた学校、保護者、子どもの三者納得のいく、充分に時間をかけた計画づくりを行っていただきたい。
    • ・9年間で到達する目標を明確にすれば、それぞれの学年で何を達成すべきかが自ずと見える。即ち、先生も子どもも目的意識をもった、計画的な学びをプログラムできる。これは小中一貫教育のメリットである。
小学校、中学校が同じフロアにある教務室
 至る所にデザインが。

整然と美しく整っている

至る所にスローガン

学校全体が美術館のよう 


2015年10月28日水曜日

平成27年度総務文教委員会調査(1日目・福井県敦賀市「地域防災計画」)

平成27年度総務文教委員会調査

※内容について不充分な点はご了承ください。
  • 日時:10月27日(火)13:00〜14:30
  • 視察場所:福井県敦賀市、敦賀市防災センター(敦賀市役所に隣接 Google Map
  • 妙高市議会 総務文教委員(6名、議会事務局)
  • 視察事項:地域防災計画について
    • 日頃からの防災体制および緊急時の災害対策についての行動計画となる「敦賀市地域防災計画」及び
    • 原子力災害を中心とした防災計画について
  • 敦賀市対応課:敦賀市市民生活部危機管理対策課、敦賀市建設水道部道路河川課
  • 内容:プロジェクタによる説明と資料、質疑応答、視察
  • 質問の内容など:「土砂災害、雪害の過去の災害内容と対策は」「原子力災害、避難先の対応と避難受け入れ体制は」等々、事前の質問事項に応える内容で説明をいただく。その後質疑によって認識を深める。
  • 村越の質問より
    • 東日本大震災後、新たに設置された災害対応策のうち、国や県から指導のあった項目、あるいは自治体が独自に制定した項目があればご説明ください。→「津波災害対策に関わる事項など」「大学等専門家との連携について明記した」「避難住民受け入れ計画として市防災計画に明記した(敦賀市はおおい町、高浜町の県内避難先に指定)」
    • 東日本大震災後、防災計画の改定において専門家との連携によって成されたというが、大学の研究所、被爆医療の専門家のほか、社会安全研究所はどのような関わりがあったか。→計画の策定、住民の意識調査等に関わった。
  • 提言:
    • ・当市において、大災害を想定した「避難と受け入れ」の両面で、市外、県外の避難先の自治体との協力体制が整っていないのであれば、その整備を進めるべきである。また、防災をきっかけに「相互の交流を深める」「観光に結びつける」など、連携したまちづくりを期待するものでもある。
    • ・敦賀市が導入している、防災ラジオの徹底した整備は住民に安心感をもたらすものであると感じる。当市においては、一方的な防災メールの配信だけではなく、双方向(被災地、被災者相互など)の情報提供の必要性を鑑み、携帯端末を利用した、「ITCによる緊急時対応プラン」を検討して備えるべきである。(TwitterやSNSを活用するなど)
 研修会場 敦賀市防災センター到着
 1F入り口付近の施設

 4F研修会場(災害時緊急対策本部となる)
3F(危機管理対策課)


2015年10月4日日曜日

日常の街の姿に想いを馳せる

お祭、イベントで大勢の人が非日常空間に集まってきます。
昨今の多くの商店街イベントに参加して感じるのは、日常行動と非日常行動を参加する者たちが使い分けているということです。
街のイベント会場化と言うべきか・・。

住民が日常に求めるものは?
企画の真の目的達成は、この一瞬の賑わいとは別のところにある訳で、それはきっと人びとの呟きや何らかのスローガンに現れているはずです。

当事者が主体的に企画運営ができなくなればこれも止むなしと考えるか。いや、そうではないだろう!?
イベント会場のひとつとしての市街地の使い方に慣れてしまった感覚を、生活空間としての日常の街にいかに向けていくか。
日常に新しい空気、次なる仕掛けが必要なのではないかと思います。
もちろん私の仕事でもあります。

2015年8月7日金曜日

夏草刈った。枯れ草にワクワクまち作り

この夏は暑かった。いや、暑い!
そしてこの夏ばかりじゃないような気がしますね。温暖化と言いますか・・。
そして私の地域で耳にする言葉と言えば「毎日毎日草刈りだわね」。真っ黒な顔をしたおとこしょのお決まりのセリフです。

これは近所の農村公園。
ビーバーや自走式の草刈りを使って数日前に刈りましたが、年に1〜2度の草刈りだとこのありさま。ともかく草が伸びきっているので刈った後の枯れ草が見苦しいのです。
かと言ってこれをかき集めて処分するにはこれまた一仕事。

地区の高齢化のため、役員さんが見るに見かねてボランティアで行うのが当たり前のようになってきている現状ですので、放っておけばきっとこのまま。時間が経つと腐って腐葉土のようになり栄養的にはいいのかもしれませんが、野芝は衰え、見苦しい雑草や苔が生えやすくなります。

かき集め時なんだがなぁ・・・

近くでよく見ると、こんな感じ。
さて、実はこの公園の草。面白い活用があるのをご存知ですか?

これです。
茶碗??

そうです。やきもの。

実はこの釉薬(うわぐすり)の原料が公園の草なんですよ。
刈り上がったこの公園の草の様子を見ると、シリカを多めに含んだ芝、そして幅広の葉っぱの雑草や苔、そして苔についた少量の土。この調合が実に良い!?

本題です。

この草を釉薬にする事で学べる事は何でしょう?
そして、喜ぶ人は誰でしょう?気付きは何でしょう?
そしてその対価は何に変わるでしょう?
考えただけでもワクワクする。この気付きが、まちづくりだと思うのです。

生態系や暮らしの文化、悲しみ(苦労)と喜び。そんなものが繋がって、循環しながら連続して・・ギュッと詰まっているのが地域の本来の姿ではないでしょうか。

そんなことで地域づくりのためのワークショップのアドバイス。講演の大小請けたまわります。
繋がりましょう!ワクワクしましょう!
子ども会や地域リーダーの方。教育関係者。地域ブランド開発担当の方・・、お気軽にご相談ください。


参考までに資料をお付けします。
★焼きもの作りの流れ100ページスライドショー (土、釉、薪、窯焚き)


自然から個性を学ぶ~灰釉研究(植物を焼いて釉薬を作る研究報告)

2015年6月21日日曜日

日曜の辻立ち

(iPhoneから)街頭に立つこと一週間、ある異変に気付いた。
今日は日曜日。いつもの時間に交差点にスタンバると車が全然通らない。
予想通りというか先週経験済みなので特別の驚きではなかったが、たまに通る車の多くの方が笑顔で会釈をしてくれたり、手を振ってくれるようになったのだ。と言っても1.2割だと思うが・・、
中には車を運転しながら「名前何て言うの?」と叫んでくれる方や、「おはよう!」と声を掛けてくれる人もある。
これには流石に感動を覚える。

少し認知されてきたのかな、と思ったりもしたが、20分、30分と手を振るうちそうでは無いと思い始めた。

今日は心にゆとりのある日なんだと。
レジャーに出かけたり、中にはお勤めの人もいるが、ウィークディのようなキツキツな精神状態で無いことが、車間距離やスピードでも感じることだ。

「日曜は交通量が少ないから活動効率が悪い」などと傍目では思うかもしれないが、真逆だと思う。少なくとも私には。

通り抜ける人一人一人に体を向けてご挨拶ができるし、うっかりスルーしてしまう人がかなり少なくて済む。
そうしたら人が沢山いることなんて、かえって心を亡くす事になりかねないんじゃ無いか、過疎も悪くないんじゃないかと思えてきたりもする。

大切な経験をさせてもらいながら、かき消されそうになっていた価値観をギリギリ踏み止める。

建前で付き合う人には建前の人しか集まってこない。心ない笑顔には喜びを与える力はない。私という個人が街頭の景観の一部としてどんなお役に立てるのか考える日々が続いている。

2015年5月31日日曜日

ヒト・モノ・カネ 地元のしくみや姿勢を改めていく

昨日はjoetsu bar-gai。楽しんできました。
joetsu bar-gaiとは(オフィシャルサイトより引用)
バル街とは市街地の飲食店を舞台に、お客様にバル形式で、食べ歩き・飲み歩き・まち歩きをしてもらい、お店と街の魅力感じながら、店主とのコミュニケーション、参加者同士のコミュニケーションを楽しんでもらうイベントです。
2004年に函館で初めて開催されてから、現在では国内各地で開催されるようになり2012年には新潟県でも長岡市、三条市で開催され大変なにぎわいをみせています。
また、2014年には新潟・長岡・上越の県内3都市がチケットの相互利用などで連携開催をし、新潟県内をバル旋風が吹き乱れました。(オフィシャルサイトより http://joetsubar.com/) 

私がハシゴしたのは数件でしたが、参加店の様子やそれに集まってくるお客達、イベントを企画して運営する人達に触れながら感じた事は・・やはり「まちは人」なのだと。
逢いたくて出かけた目的の人、偶然出会った人、久しぶりに再会した人、初めてコミュニケーションをとった人も・・。
自分と関わった大勢の人がjoetsu bar-gaiに居ました。

地域のイベントを参加者として体験してしばしば感じるのは、関心を持って参加しなきゃ(やらなきゃ)いけない
楽しませてくれた人たちに報いたい気持ちがそうさせます。
そして参加にもいろんな形があって、繰り返しお客さんになるもよし、感想やアイディアを示す事も立派な参加だと思っています。
ともかく無関心からは何も起きないのです。

そこで、何のために参加するのか?


まちのため、頑張ってる人のため・・??
理由付けはいろいろあろうかと思いますが、私は「自分のため」だと思います。

  • 自分が楽しい→そのためには自分ばかりではなく周囲の人も楽しくないといけない。
  • 自分の懐が豊かになる→そのためにはお店が繁盛する必要がある。=お客様に喜んでもらう(還元)
  • 自分を満足させる→そのために活動(行動)でメッセージを伝える。

それぞれ自分の生き方を充実させるために一所懸命になり、それがまちの中で光り、その集まりによってまちが光っていくのではないでしょうか。

加えて存在するのはそれぞれの役割で、(有償無償の)仕事として、お客として、ボランティアとして、受け入れる街として、それらの役割が何かを意識しながら、しっかりと果たしていくことが大切だと思います。







さて商売の話ですが、40〜50年前の「まち」は商店街が中心になり、となり町の商人がやってきたり、もっと遠方の商人がやってきて交流を持ったり、もちろん近間の農家や生活用品を売る人が集まり、食べ物屋さんがあり、暮らしに必要な仕事が営まれ、それらは人がベースになって支えられてきた。お金はその人達の暮らしを支えてきた。
地域の中で一定のリズムで商売が成り立っていた。

今は、大資本の全国規模の企業が地元の人を雇ってモノやコトを流通させている。そのお金は、おおもとの会社に吸い上げられ、大きな三角形の頂点である大都市へと集まっていく。大量や効率優先にならざるを得ない。
事の次第で世の中を大きく変化させてしまう力があります。
(危機管理的に多様性に欠く事は、実は怖いことです)
残念ながらそのようにして頂点に集まったものは地方へは還元されにくいのが現状です。
ある層の都会のサラリーマンが田舎の暮らしに憧れを抱いているとしたら、そういった蓄積への反発の現れかもしれないと思ってしまう。

だからということで、都会の住民を地方に呼び寄せようという考えも一理ありですが、私はむしろ地方のエリアの内側から見て、ビジネスのシステムにお金を流す生活様式ではなく、少なくともその企業の先に地域が見えるものに対してお金を落とすべく、そういった中小企業を育てる事が大切なのではないかと考えています。
まずは、地元の仕組みや姿勢を改めていく。ということです。

以上、周りくどい話しですが、私が今回joetsu bar-gaiで目にしたお店や関わっている人達は、自分を大切に自分の地域に対するアイデンティティを持ち、結果まちにとって、それぞれの役割を果たしてくれている人たちに映りました。
みなさんもこうしたまちづくりに参加しませんか?

2015年5月21日木曜日

地域とおうちベンチャー

昨日は新潟市に出張。空いた時間に趣味の街ウォッチをすることに。

1カ所目は、たまたま見つけた「沼垂(ぬったり)商店街」(沼垂テラス商店街)。雑貨屋さんやカフェ、天然酵母パン屋さん、お惣菜屋さん、居酒屋さん、ギャラリーなどなど。手作り感満載のお店が軒を並べている。
長屋風の古い商業施設を改装してこの4月にオープンしたということだが、定休日の店が多く半分以上の店はシャッターが閉じられたまま。(私はにぎやかな日に出歩かないので廻りが悪い)
それでもたまたま開いていたお店やインフォメーションにインタビュー(駐車場、周辺観光など)を試みるも、数件では時間がもたず、興味津々をひきずったまま次へと向かう。
月に一度の朝市や日曜祭日には随分賑わうだろう。


2カ所目は気になっていた古町の「えんとつシアター」。こちらも、この4月にオープンした席数50席の多目的劇場。たしか商店街の空き店舗対策で開設したと聞いた。催しが入っていなかったのであまり期待せずに立ち寄ってみたがやはり惨敗。チラシすらも置いてない完全休日だった。

ならばと古町モール。ところが接近するも以前と変わった様子もなく寂しい雰囲気で足を踏み入れる気分にならない。ぷらっと本町も同じような状況。
 
途中、人情横丁。これまた長屋風商店街に出くわした。先ほどの沼垂商店街と似ているな、と思ったが比較してみるとこちらのほうが今の形の商店街としては古そうである。店構えが街に染み付いた感がある。


さて、事前学習に乏しく本日の街歩きは不完全燃焼ながらも、こういった予備知識の無い視察ほど客観的な空気を直に感じ取れてよい。ということで機会をみて深く調べてみようと思う。

以下気のついたところ

  1. ショッピングを楽しむ人より、ショップを楽しむワカモノが活き活きとしていた。
  2. 「店やってませ〜ん」のノリ(マイペース)の店と、お客様がいようがいまいが同じ時間に店を開け同じ時間に店を閉め(堅実商売)、定休日など無いのでは?と思えるような比較的ご高齢な方がやっている店の2種混在。
  3. 店員が座っている店と立っている店。座っている店はパソコンかスマホを覗いている。立っている店は通りやお客さんの方に身体を向けているか、忙しなく動き回っている。(座っている人がお客さんを見てないという意味ではありません)


●さて本題の・・

市街地開発、リノベーション、ブランドマーケティング。いろんな見かたができるがあえて「若者のスタイルとまちづくり」として考えてみる。

生活のためのお金を稼ぐためや、ビジネス経営を目的として商売をするのであれば、顧客の求めるものに応えるような店舗運営が第一義である。そこで昔ながらの商人は、これまでの得意客を大切にし、スタイルを変えずに商いを営む中で地道な経営努力を積み重ねている。一方若者はというと、生活苦に陥るほどの経済的な危機状態に無いという前提で、自分がやってみたいことをそれを支えたい顧客と一緒に楽しんでいるように見える。要するに商売の固執する部分が違うように思える。
親の商売を継いだ訳ではないし、その多くは確固とした長期的ビジョンやプラン、大きな資本に支えられているわけでも無い。そういった今どきのスタイルをあえて「おうちベンチャー」と呼んでみたい。

フリマが発展してクラフト市になり、屋台村がケータリング業になり、趣味が講じたおうちカフェもあれば、インターネットを使った個人のライフスタイルから生まれたコンテンツがビジネスとなったりする。
それに個が群がり、彼らにとってはその群が持続的に脆弱かどうかはいま問題ではない。
このように展開する「おうちベンチャー」は大手企業、あるいは歴史ある中小企業が最も苦手とする分野だ。
どんなまちでもこの傾向は否めないが、それがムーブメントとしてまちづくりの主役になるのであればそれは受け入れる必要はあるが、本質はその若者のスタイルがどこに流れていくのか、地域がどう関わっているか、の2点。そこが最も重要な部分で目が離せない。

特に2点目の「地域との関わり」について強調するが、
「おうちベンチャー」が叶えようとしているものを、自分のライフスタイルであったりそこで顧客と形成する「画」にあるとしよう。もしそこに地域との関わりが希薄であれば、地域はその業態の変化とともに弾き飛ばされてしまうか、最悪その地から離れていってしまう。 = 早い話場所はどこでもいい。
ならば私は、むしろ地域が「おうちベンチャー」を育てる、いや産むファクター(素因)を意識的に提案すべきと考える。
当妙高市に言及すれば、妙高山や関田山脈に由来する土壌や水系を気候が取りまき、そこに産する米や農産物、山の幸、その加工品。それらに関わる人や産業や文化がその素因となり得る。
方法についてはいろいろあるだろう。それについてはみなさんの意見を是非とも聞かせて欲しい。

どんな世界でも新興勢力に勢いがあることに間違いない。それが地域とどう結びつくか、現存企業とどういった立ち位置で商圏を共有するかが重要である。それは起業する側ばかりに任せてはおけず、地域が単なる応援にとどまらず、どうアプローチし協働していくかが次世代へどう繋げるかのポイントとなる。そのように感じている。