地域を育てていくには住民の批判的思考(クリティカル・シンキング)が欠かせない思っています。
これは本当に正しいか、もっと違う方法はないか、こうしたらどうなったか、こうした客観的判断力です。
クリティカルシンキングは、妙高市が取り組もうとうしているイエナプラン教育のコンセプトにも入っていて、そこでなぜ私が家庭や地域の理解に重きをおくかというと、住民が子どもと共に課題解決のための議論(対話)に参加すべきと思うからです。またイエナプラン教育には学習者が主体的な行動にベクトルが向くための要素も含まれます。
地域の改革は内発的には起こりにくく、被災や教育がそれを牽引する力があります。
本来、文化活動やスポーツといった生涯学習活動により冒頭述べたような経験が自分に積まれていくもので、これは自助努力にあたります。
生涯学習活動は「環境」に影響されるところが非常に大きく、(物理的な)場がある、仲間がいる、興味深い資料やツールが備わっている、チャンスがある・・。家庭の環境も大きいですが、「環境」とはこのような自分の背中をポンと押してもらえるようなものです。
ただしそうした恩恵は結果的に個人・家庭・地域・自治体によって格差があります。
被災は進んでするものではありませんが、チャンスは活かせます。他の地域に学ぶ、過去の災害に学ぶ、今起きている災害に学ぶ・・それにしてもある種の余裕や個々の考えにより一定の認識は導きにくいものです。地域と関わりの薄かった次の担い手はどう考えているでしょうか。
一方、学校教育には場があり、仲間がいて、カリキュラム(指導要領)とプロの指導者がいるという国が保障する仕組みが確立されています。これを地域が活用するのが最も合理的で学校教育の今後の姿だと考えます。
そうした中、教師の働き方改革にも拍車がかかり、地域と学校の協働が叫ばれ様々な支援が及んでいる実態にどう対応していくか、ここに縦割りを打破した行政の役割が存在するのではないでしょうか。