2018年4月24日火曜日

【重要まとめ】新しい地域づくりに向けた社会教育のありかた(文科省 生涯学習関連)

平成30年3月2日 文部科学大臣から中教審に対し、「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」の諮問がなされました。(htmlpdf
内容を要約すると、こうです。

  • 少子高齢化により、地域社会において高齢者・若者が孤立し持続可能な危機にあるなか、「住民が主体となった極力行政に頼らない独自の集落づくり」によって、活性化や生きがいづくりに繋げている事例は少なくないが、それが全国に広がっていると言い難い。
  • また、H29.3「学びを通じた地域づくりに関する調査研究協力者会議」の提言により、新しい学びの場や社会教育施設による社会教育の貢献や、ICTの対応力身につけ地域活動に活かすことの重要性が認められている。
  • 近年、公民館、図書館、博物館等には従来の役割に加え、地域活性化・まちづくりの拠点、地域の防災拠点などとしてより幅広い役割も期待されるようになっている。高齢者福祉施設整備も求められ、今後こういった施設の複合化も進むだろう。
   ↓このように、公民館、図書館、博物館等において様々な地域課題に対応するため、社会教育行政部局とまちづくり関係部局、福祉・健康関係部局、産業振興関係部局、教育機関、企業、NPO法人等の多様な主体との連携に留意しつつ検討する必要がある。
検討事項】
  1. 関係者の連携と住民の主体的な参画による新しい地域づくりに向けた学習・活動の在り方
  2. 公民館,図書館,博物館等の社会教育施設に求められる役割
  3. 社会教育施設が求められる役割を果たすために必要な具体的方策
上記第二において御検討いただく役割を果たす観点から、社会教育施設が、地域の実情を踏まえつつ、地域活性化やまちづくり等の分野と効果的に連携を図るための運営の在り方や振興のための方策について、その所管の在り方も含め、御検討をお願いします。

※この諮問については、H30年中に答申がまとまる予定とのことです



上記の「学びを通じた地域づくりに関する調査研究協力者会議」の発表による、論点の整理はこのようです。(H29.3)

人々の暮らしと社会の発展に貢献する持続可能な社会教育システムの構築に向けて 論点の整理」(抜粋)

2.社会教育の現状
 ○近年の社会教育の状況を概観すると、社会教育施設に関しては、平成27年10月現在、全国に公民館が13,777施設、図書館が3,336施設、博物館が5,683施設存在している。これらを平成17年10月時点での施設数と比較すると、図書館は2,979施設から12.0%と大幅に施設数が増えている一方、博物館は5,614施設から微増であり、公民館に関しては17,143施設から3,366施設減り19.6%の大幅な減少となっている1。
 ○社会教育施設の利用者数に関しては、平成26年度間において、公民館は1億9,310万人、図書館は1億8,138万人、博物館は2億7,791万人がそれぞれ利用している。これらを平成16年度間の利用者数と比較すると、図書館は1億7,061万人から約1千万人、博物館は2億7,268万人から約500万人増えている一方、公民館に関しては2億3,312万人から4,000万人減り17.2%の大幅な減少となっている。
 ○社会教育を推進する専門的職員の数に関しては、平成27年10月現在、社会教育主事が
2,048人、司書が1万9,016人、学芸員が7,814人となっている。これらを平成17年10月時点での職員数と比較すると、司書は1万2,781人から約1.5倍に増えており、学芸員も6,224人から約1.25倍に増えている一方、社会教育主事に関しては4,119人から半減している。
 ○また、教育委員会の諮問機関であり、非常勤の職である社会教育委員の数についても、平成13年10月の3万6,709人から平成23年10月の2万272人まで過去10年間で約45%の大幅な減少となっている。
 ○図書館や博物館などの社会教育施設については、関係者の努力もあり、おおむね順調に発展していると捉えることができるが、公民館や社会教育主事、社会教育委員の減少傾向に関しては、社会教育の振興を図る上で憂慮される状況にある。この背景には、少子高齢化と人口減少の進展、市町村合併、地方行財政改革など様々な要因が存在する。以下に社会教育を取り巻く環境の変化と課題を明らかにし、今後の社会教育の在り方とその中で公民館や社会教育主事等に期待される役割を整理することとする。

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今後、社会教育にもたらす影響と課題

イ)社会教育の利用者の高齢化と減少
ロ)長寿化に伴う国民が社会変動の影響を受ける期間の長期化に対応した学び直しの機会の提供の必要性
ハ)社会教育主事など社会教育に携わる人材の高齢化と人材確保の困難
ニ)小学校区を単位として整備が図られ、現在でも全国に13,777施設が存在する公民館の地域コミュニティ機能維持への貢献の必要性
ホ)人口減少局面では、交流人口の拡大が地域の活力の維持・向上において重要となることから博物館など社会教育施設の交流人口拡大への寄与の必要性
へ)高齢者の社会参加の促進と多世代交流による地域づくりの必要性

社会教育への期待

地域コミュニティが衰退し、つながりが希薄化する中で、社会教育には、その活動を通して人と人との交流を促進し、地域に新たな価値をもたらすような「仕掛け」づくりを進めることで、地域コミュニティの再生・活性化に貢献することが期待される。
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【参考資料】

  1. 人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育に関する現状/状況把握/事例/参考文献(2018年2月5日 第88回 生涯学習分科会 配布資料)
  2. 中教審 生涯学習分科会(文科省サイト)