2019年1月18日金曜日

(社会保障のセミナー)小泉進次郎氏を政治家の少し斜め目線で

2019年1月16日、都内で行われた、青山社中フォーラムVol.44 衆議院議員 小泉進次郎 氏のセミナー「人生100年時代の社会保障」に参加した。
青山社中(株)は、妙高市で策定中の立地適正化計画(国交省HPへ)や、次期総合計画の策定に関わる、朝比奈一郎氏が代表を務めるシンクタンクである。朝比奈氏は現在妙高市とお付き合いがある。
ちょうど今、厚労省の毎月勤労統計の報告の違法性騒ぎの真っ最中であるので、セミナーはその話題から入ったわけだが、評価の高い小泉進次郎氏の人となりを感じることが、今回の目的の一つであった。開場10分前に入り2列目、前列は関係者席で空席だったので全身を目の当たりにできラッキーだった。2メートルの至近距離で生の講演を聞けることなど、一生のうちで二度と無いと思う。外見で意外なこともあったがここでは触れないでおく。

講演の内容で関心したことは、こんな話の上手い大政治家が、1時間のセミナーのためにしっかりとスライドを作ってあったこと。セミナーの参加費と比較して信じがたい。
ポイントとなる資料も配布された。


次に、彼の話は誠実かつ分かりやすい。分かりやすいから難しい話も苦痛ではないし、大事なポイントにフォーカスできる。あえて悪く言えば、単純で深く突っ込んでいないので物足りなさはある。
自らの改善の成果として上げていたのが、国民に分かりやすく情報発信したという「ねんきん定期便のリーフレット」。国民が知らない(伝わってない)ことが問題だ、と。
  • (以下 紫文字は村越のメモ)「人生100年時代の社会保証」金さん銀さんの娘100歳、100歳はあたりまえの時代。関心をもってもらうことが大事。きんちゃん(萩本欽一)について。「これからは病院行くより、大学へ行こう」
  • 「レールからの解放」を朗読(このページ最下段に転載↓)。小さなチャレンジができない。いろんな選択肢がある。転職、学び直し、何度でもチャレンジできる。自分の価値観とタイミング。個人の生き方に政治があわせること。新しい社会モデルへ。
  • 第一創業期と、第二創業期の比較(↑図)。
  • 社会保障/昭和:皆保険。平成:給付と負担の模索の時代。新元号:人生100年時代の基盤づくり。行動の変化→経済社会の構造改革
  • 働き方/昭和:企業戦士・モーレツ社員、平成:働き方改革、新元号:人生100年時代の生き方(行き方 …小林一三を例に)みなさんが全員働き、努力は報われないといけない。
  • 第4次産業革命。現役とは何才から何才まで。生産年齢人口15〜64才ではなく、実際は18〜74才としたら・・・(↓図)
  • 人生100年型年金 繰り上げ、繰り下げによる増額率を知らない。部会長になって、年金定期便の見直しをした。(↑図)
  • ナッジ、より賢い政策 国民性、文化、そっと後押しをすること。(↓図)
  • 消費税10%のあとに、制度を前向きに変えていけるか?

15才から働いているか? 64才で働き終えているか? 現実は・・
生産年齢を18〜74才とすれば、量的には現在と大きく変化しない。という推計

ナッジ。政策の取り入れかたを工夫したらどうかなど。

  • (朝比奈加わる)データによって政策誘導すること。議事録変える、考えられない。捻じ曲げてもいいカルチャー、構造面から変えていく。
  • シンクタンクと政府の中の流動性がある。民間でこのようなカルチャーがほしい。朝比奈さんのようなかたがいると広がる。
  • どうやったら災転じて福となす、とできるか?と考える。→公務員制度改革(朝比奈)。
  • 少子化対策、超えなくてはならないのは、結婚、第1子、第2子→重点支援??? 1人目がたいへんなのに、それを支えてもらえたら次に繋がる。
  • (縦割り弊害の是正について)どの組織もそうではないか。省庁再編、厚生、労働、をくっつけた。橋本内閣。それより、官邸の機能強化 経済財政諮問会議。首相のリーダーシップを生かす。制度改正が想定しなかったのは、長期政権の未体験に入っている。その時の首相が改革。首相がスピード感を持ってやる。それをブラッシュアップしていく。
  • 先生と呼ばれる人から、多様性人材を育てる。
  • (中学校へメッセージ)サッカーを一緒にやった、あのおじさんだれだろう?から。地元の政治家は呼べばくる。政治家との接点を持たせる。一回の出会い、一回の握手は人生を変える。人と違うがカッコいい。を大切にしてもらいたい。自分が何をやりたいか。
  • 「日本にいて日本のこと分からないよ」(小泉最後のメッセージ)

最後に所感だが、小泉氏は37才と若く、それ故真剣勝負で失敗が許されないと言っていた。それは非常に分る。また、終始「分かりやすさ」に配慮され、その大切さに気づかせてもらった。
今回のセミナーは、社会保障に政策的に突っ込んだ話ではなかったが、「レールからの解放」にもあったように、概ね政府の見解としては、働き方による生産性や高齢者の生き方(行き方)による総活躍と、全ての世代が守られるべき社会保障のありかたについては、今後問われる持続可能な社会に向けた制度改正にあると感じた。それについては、たまたま同じ日の午前のセミナーで聴講した、井手英策氏の幸福の増税論と中身は同じことのように感じる。
私もこうした時代感覚に取り残されることなく、小泉氏に引けを取らないよう、地方自治体の政治家としての行き方を見つめていく所存である。


レールからの解放
- 22世紀へ。人口減少を強みに変える、新たな社会モデルを目指して -

2020年以降を「日本の第二創業期」と捉え、戦後続いてきたこの国のかたちを創りなおす。それは「人口減少」という確実な未来の中でも、日本が成長していくために、必要不可欠な変化である。
これまで日本社会は、一本道の「レール」を走り抜くような生き方を求めてきた。受験に始まり、新卒での就職、毎日休みなく働き続け、結婚して子どもを持ち、定年後は余暇を過ごすーー
「20年学び、40年働き、20年休む」という人生こそが普通で幸せな生き方だ、と。
それに基づき、終身雇用慣行や国民皆保険・皆年金などが生まれ、これまでは実際によく機能してきた。戦後日本が一丸となって努力し、ゼロから奇跡的な飛躍を遂げ、今日のような豊かさを持てたのは、そのような日本型経済モデルの賜物である。
しかし、人口減少による少子高齢化、さらに「人生100年」生きていくことが当たり前になる未来に、もはや戦後のやり方は通用しない。レールによる保障は財政的に維持できないばかりでなく、私たちが望む生き方とズレが生じてきているのではないか。
「一度レールから外れてしまうとやり直しがきかない」そんな恐れから小さなチャレンジにも踏み出せない。価値観が多様化しているにも関わらず、人生の横並びばかりを意識し、自分らしい選択ができない。 かつて幸せになるために作られたレールが今、この国の閉塞感につながっている。
政治が、その「レール」をぶっ壊していく。
もっと自由に生きていける日本を創るために。
新卒や定年なんて関係ない。「65歳からは高齢者」なんてもうやめよう。現役世代の定義そのものから変えていく。
100年を生きる時代だ。いろんな生き方、いろんな選択肢がある。
10代のうちから仕事や起業という道もあれば、大学卒業後すぐに就職しないという選択もある。転職を重ねるのも、学び直しをするのも当たり前。いつだって子育てや家族のケアを最優先できる。何かに失敗したとしても、何度でもチャレンジできる。
学びも仕事も余暇も、年齢で決められるのではなく、それぞれが自分の価値観とタイミングで選べる未来へ。政治が用意した一つの生き方に個人が合わせるのでなく、個人それぞれの生き方に政治が合わせていく。そうすればきっと、100年の人生も幸せに生きていける。
それは同時に、働き方・生き方・教育の位置づけ、そして社会保障を見直すことにつながる。真に困った人を助ける全世代に対する安心の基盤の再構築は、小さなチャレンジや新しい人生の選択の支えになる。 子育て世代の負担を減らし、現役世代を増やしていくことで、日本社会全体の生産性を高め、人口減少しても持続可能な社会保障になる。
簡単なことではない。しかし、終戦直後、敷かれたレールも無い中で、一人ひとりが挑戦を続け、世界に誇る唯一無二の社会モデルを確立したのが日本という国である。むしろ先人たちが遺した豊富な資産と、日々進化する新しい技術がある今、できないことは何もない。人口減少さえも強みに変える、22世紀を見据えた新しい社会モデルを、私たちの世代で創っていきたい。
引用元はこちら…自民党Lib Dems 

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